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新海誠監督の名作『秒速5センチメートル』を章ごとに考察してみた!

2021年1月9日

秒速5センチメートル

君の名は。』と『天気の子』が興行収入100億を超え、すっかり巨匠の仲間入り果たした新海誠監督。

2作品をきっかけに「他の作品も観てみようかな」と思った人、結構多いんじゃないんでしょうか?

ちなみに私もその一人でした。

そして『秒速5センチメートル』に出会います。

見た後は胸を締め付けられるような感覚に襲われ、リアルに夜眠れませんでした。(ファンからは秒速病と呼ばれているらしい。)

この記事はそんな『秒速5センチメートル』を次に見た時、もっと楽しめるような視点を提供することを目標に記事を書いています。

数分程度でサクッと読める内容なので、ぜひ最後までお付き合いください🙇

それでは始めていきますね!
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この記事は映画で描かれていたことを元に作成しています。

第1章「桜花抄」の考察

秒速5センチメートル

あらすじ

小学校の卒業と同時に離ればなれになってしまった遠野貴樹と篠原明里。2人だけの間に存在していた特別な想いをよそに、時だけがただ過ぎていった。そんなある日、大雪の降るなか、ついに貴樹は明里に会いに行こうと決意する…。

「明里、どうか、もう、家に帰っていてくれれば良いのに」とつぶやく貴樹

秒速5センチメートル

YouTubeより引用

渡すはずだった手紙が乗り継ぎの駅で風に飛ばされ、電車に乗ったは良いものの、豪雪による遅延で一向に目的地にたどり着かない。

そんな時に貴樹がはなった言葉です。

大切に想っている明里が寒い中、自分を待っているということを考えれば「帰っていてくれ」という方が自然な気がします。

そこを「帰っていてくれれば良いのに」とつぶやいた貴樹に違和感を覚えました。

振り返ってみると、大好きな明里に会いに行くというのに貴樹はどこか暗い感じがしましたよね。

そこから推察するに貴樹が渡すはずだった手紙には明里をずっと好きだったこととお別れの言葉が綴られていたのだと思います。

大好きだった明里に会いたい自分もいるし、別れの手紙を渡すのが怖い自分もいる。

「明里の初恋の思い出として大切に保管し、これから新しい場所で頑張っていこう。」

手紙を渡すことでそうなるはずだった貴樹は手紙を無くしたことで目的を見失い、ただ電車に揺られながら約束の駅を目指した。

「明里、どうか、もう帰っていてくれれば良いのに」

この言葉は「明里がもし駅にいたら絶対忘れられなくなってしまう。手紙を無くした今、自分の口から明里にお別れの言葉なんて言えない。

そんな貴樹の心情から出た言葉なのかもしれませんね。

駅で待っていた明里

このシーン、ゾクッとしました。

別れの言葉を言う機会を失った貴樹にとって、明里が駅で待っていたことは正直かなりつらかったと思います。

もう会えないとわかっていながらも好きで居続けなければいけない。

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One more time one more chanceの優しいBGMがまた辛い...

そして2人はキスをして、抱擁を交わします。

「あのキスの前と後とでは世界の何もかもが変わったような気がした。」

そう感じて以来、貴樹は作中に何度も出てくる地球ではない惑星に明里と2人でいる夢を見ることになります。

第2章「コスモナウト」の考察

秒速5センチメートル

あらすじ

2章の主人公は貴樹ではなく、澄田花苗という女の子。中学生の頃から貴樹のことが好きだった花苗は貴樹と同じ高校に進学し告白しようとしますが、貴樹の心が自分に向いていないことがわかり告白を諦めてしまう。

明里忘却装置としての花苗

秒速5センチメートル

BiBiより引用

本作を通じて一番報われないのは花苗なんじゃないかと感じました。

この章で貴樹は明里のことを忘れるため、花苗のことを好きになろうと努力します。

あの地球ではない惑星の夢で明里の顔が章の終わりまで見えなかったことから、貴樹が明里の事を忘れ、花苗のことを好きになりつつあることがうかがえます。

しかし、忘れられない。

あの夢を見るようになってから貴樹の世界に中心には明里がいるから。

結局、花苗は貴樹の心に自分が入る隙間はないと悟り、告白せずに終わります。

新海監督はインタビューで「花苗は強い子として描きました」と言っていますが、いくら強い子といってもこの終わり方は残酷すぎますよ...

花苗も貴樹のようにあの地球ではない惑星に囚われないと良いのですが...

貴樹が犬を見て悲しい表情をしていた理由

これは犬を明里と重ねていたのだと思います。

豪雪の中、忠犬ハチ公のように駅で待っていた明里と花苗の犬が重なったんでしょうね。

いつでも探しているよ どっかに君の姿を

本作の主題歌「One more time one more chance」のサビの通りです。

明里のことを忘れようと思っていても、無意識に探してしまう。

そんな貴樹の葛藤をこのシーンから読み取ることができました。

第3章「秒速5センチメートル」の考察

秒速5センチメートル

あらすじ

第3章では、明里のことを忘れられない貴樹貴樹との恋を過去のものとして、別の男性と結婚する明里の2人の視点でストーリーが進んでいく。

貴樹と明里の対比

明里:「夕べ昔の夢を見た、昨日見つけた手紙のせいだ。」「昨日ずっと昔の夢を見た

貴樹:「昨日夢を見た

この二人のセリフで明里は貴樹との初恋を過去のものにすることができ、貴樹は今もなお初恋に囚われていることがわかります。

明里忘却装置2号水野理沙

秒速5センチメートル

RENOTEより引用

貴樹と3年間付き合ってた女性ですね。

髪型はおさげでメガネをかけていますが、どことなく雰囲気は明里に似ています。

今思えば、花苗の中学時代が明里にそっくりだったので、貴樹は明里を忘れようと思っても、無意識に似ている女性を選んでいたのでしょうね。

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高校時代の花苗も顔は明里にそっくりでした。髪と肌の色は違いましたが...

明里の結婚相手

明里の結婚相手はおそらく高校時代に付き合っていた人だと思われます。

はっきりと顔は出てきませんが、身体付きががっしりとしていて貴樹とは真逆の印象。

明里は貴樹と似ていない男性と付き合うことで綺麗に彼を忘れることができたのかもしれませんね。

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まとめ

秒速5センチメートル

もちログより引用

今回は新海監督の名作『秒速5センチメートル』を考察してみました!

本作は女性よりも男性に刺さると言われています。

私は見終わった後、胸が苦しくなったんですけど、女性の方はどうなんですかね。

気になります。

また、この記事は冒頭でも話した通り「本作を次に見た時、もっと楽しめるような視点を提供すること」を目標に書きました。

いかがでしたでしょうか?

もし、新しい気づきなどを提供できたのなら幸いです!

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