評価:4
一言感想:映像と音楽は素晴らしいが...
気になる映画は公開初日に見に行く男・タクミです。
『劇場版 名探偵コナン 緋色の弾丸』を見に行った時の映画前に流れる予告で『竜とそばかすの姫』を知り、面白そうだったので劇場へ足を運ぶことに。
私は細田守監督の大ファンというわけではなく、きちんと最後まで見たのは『サマーウォーズ』と『おおかみこどもの雨と雪』くらいです。
なので『竜とそばかすの姫』を見た時、アニメーション技術の進化に驚きを隠せませんでした。
そしてその進化したアニメーション映像とKing Gnu(キングヌー)の常田大希率いるクリエイティブ集団・millennium parade(ミレニアムパレード)の音楽がうまい具合にマッチしていて、見終わった後の満足感は半端なかったですね。
これでストーリーも良いかったら文句なしの星5でした。
しかし脚本に欠陥が多すぎた...
そこで今回は『竜とそばかすの姫』の物語に潜む負の側面に触れつつ、考察と感想を書いていこうと思います。
前置きが長くなりました。
それでははじめていきますね(*´ω`)
私は『竜とそばかすの姫』を一度しか見ていないため、記憶が曖昧な部分は内容に齟齬があるかもしれません。もし、内容が違っていたら下記のコメント欄より教えていただけると助かります。
『竜とそばかすの姫』の問題点
1.冒頭で黙って見ていた大人たち=鈴の仲間という構図
『竜とそばかすの姫』の内容で一番論じられているのは「鈴一人で虐待親のところへ向かわせるシーン」です。
かくいう私も劇場でそのシーンを見た時は「いや、そんな危険な場所一人で行かせる?」と心の中でツッコミを入れるほど違和感を覚えたシーンでした。
ではなぜ鈴が一人でで虐待親のところへ行くというシナリオになったのかを考えると、冒頭の母親が子供を助けるシーンとリンクさせるためなのかなと。
そうした方が物語として綺麗につながる感じがしますが、一つ問題が発生します。
それは子どもが対岸に取り残されているのを黙ってみていた冒頭の大人たちと鈴の仲間(同級生と合唱隊のおばちゃんたち)が同列に扱われてしまうことです。
もちろん、鈴の仲間は鈴の背中を押しているので、ただの傍観者というよりはスポーツの観客に近いかもしれません。
しかし、問題解決をするのが鈴一人である以上は傍観者も観客も一緒です。
『竜とそばかすの姫』は「母親に見捨てられたトラウマから大好きな歌が歌えなくなった鈴が仮想世界・Uでの出来事を通じて、本来の自分を取り戻していく物語」なので、主人公ファーストになるのは大いに結構。
ですが、主人公の成長に焦点を当てすぎたがゆえに他の登場人物をおざなりにするのはちょっと違うかなと思っている次第です。
2.恵くんの今後について
『竜とそばかすの姫』は鈴が恵くん(竜のオリジン)を虐待親から守ることで物語が完結します。
今まで助けを求めてもかまってくれなかった人たちとは違い、鈴は危険を冒してまで自分を助けてくれた。
恵くんは鈴という理解者の存在に救われたのです。
しかし、よくよく考えて見ると恵くんの問題は根本的に何も解決していません。
いくら鈴の存在に救われたからといって、虐待親と暮らしていかなければいけない現実は変わりませんし、相談所の職員が聞く耳を持ってくれるとも思えません。
恵くんは鈴に対して「僕も戦うよ」的な言葉を言って別れますが、具体性が一切ないのはどうなのかな。
『竜とそばかすの姫』は『サマーウォーズ』を超えたのか?
「あの夏を超える夏がやってくる」
公式のキャッチコピーがあからさまに「『サマーウォーズ』と比較してくれ!」と言っているので、あえて比較すると、私はサマーウォーズ超えはないと思っています。
ここでいう超えるとは興行収入や作品の完成度(映像や音楽)ではなく、「人々の心に残るかどうか」です。
『竜とそばかすの姫』は主人公の成長物語なので、印象に残るシーンには必ず主人公がいると思います。
しかし、サマーウォーズでは主人公だけでなく、
- 夏希先輩の花札
- キングカズマ
- 栄おばあちゃんと侘助
など印象に残るシーンが数多くありました。
どちらの方が良いというのはありませんが、やはり各キャラクターが自分の強みを活かして強大な敵を打ち負かすストーリーの方が印象に残りやすいんですよね。(鬼滅の刃しかり、鋼の錬金術師しかり)
『竜とそばかすの姫』は映像や音楽に関しては間違えなく今までで一番良かったです。
しかし、「どちらの方が印象に残るか?」と言われると、『サマーウォーズ』と答える人の方が多いと思います。
まとめ
今回は『竜とそばかすの姫』の問題点に触れつつ、感想と考察を書いていきました。
脚本は残念でしたが、映画館のスクリーンで大迫力のライブシーンを見れたので、個人的には大満足です。
皆さんはどうでしたか?
下記コメント欄より教えていただけると幸いです(*´ω`)
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