井龍一(原作)・瀬尾知汐(漫画)によるサスペンス作品『罪と罰のスピカ』
コミックDAYSで連載されている本作は、主人公の女子高生・都麦澄光(つむぎ すぴか)が、何食わぬ顔で日常に紛れ込んでいる殺人鬼たちと駆け引きを演じながら、彼らを追い詰めていくスリラー作品です。
今回は、そんな『罪と罰のスピカ』のエピソードの中から、特に印象に残るタクシードライバーの回「名もなき殺意」(第3巻収録)を振り返っていきます。
【罪と罰のスピカ】タクシードライバーの回を振り返る(第3巻収録「名もなき殺意」)
大学受験に失敗し、恋人にも振られたと語る青年。どうやら父親から虐待を受けていたようで、人生がうまくいかないのはすべて父親のせいだと言います。
自暴自棄になり、無差別殺人をも口にしている青年ですが、タクシー運転手のどうしようもない話を聞いたことで気が変わり、家に帰ることに。
そんな青年はタクシードライバーからサービスでもらった飲料を飲んだ途端、眠気に襲われそのまま寝てしまいます。
起きた瞬間、青年がいたのは自宅の前ではなく、廃工場でした。しかも手足を縛られ、口にはガムテープが。前には不敵な笑みを浮かべるタクシードライバー・矢崎吾郎が立っています。
自身をハンドルを握ると性格だと言う矢崎には、連続殺人鬼という裏の顔がありました。彼曰く、ハンドルを握ると殺人衝動が湧いてくるとのこと。
矢崎は青年を殺害するために、首にベルトを巻き付け、車の後ろと繋ぎあわせます。サイコパス的な笑みを浮かべた次の瞬間、思い切り車を走らせ青年を引きずり回して、殺害。
矢崎には妻と子どもがいて、傍から見ればごくごく一般的な家庭です。そんな日常の一コマが非人道的な彼の異常性を助長させています。
50を過ぎた矢崎は、殺人に対する高揚感や達成感を昔ほど感じなくなります。自身でもなぜなのかはっきりとはわかっていません。
老人となった矢崎は認知症を患い、自身の犯した罪も徐々に忘れていきます。スピカはそんな状態の矢崎と出会い、「人もいっぱい殺せたし」という心の声を聴きます。それ以降、スピカはどうにかして矢崎が殺人鬼であることを証明しようと奔走。
矢崎の殺人のトリガーがハンドルを握ることではなく、首を絞めることであることを突き止め、矢崎にとどめを刺します。
どうやら矢崎は幼少期、母親が不倫相手に首を絞められて亡くなったことがトラウマになっているようで、それをなぞるように殺人を繰り返していたとか。
矢崎の死後、スピカは殺人の証明となる写真を探しに矢崎宅へ。そこで出会ったのは矢崎の妻でした。
妻は夫が連続殺人鬼であることを知りながら、子どもや孫のために隠していたとか。
結局、妻はスピカに諭され、写真は警察の元へと渡り、物語は幕を閉じます。
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